「朱鳥ー、準備出来たかー?」

「うん!いつでも行けるよ!」

「よし、じゃあ、行こっか!」

「うん!」

朱鳥は、いつもの部屋着とは違う可愛いフリルのスカートを履いていて、とても可愛い。

朱鳥も久しぶりの外出で嬉しそうな様子だ。

「うわぁ!久しぶりの外の空気って気持ちいい!!」

「そうだね、外の空気は清々しいもんなー!」

病院の外に出て、車に乗り込む。

「ここから、1時間半くらいかかるから、眠たかったら寝てていいからね」

「はーい、でも、寝ないもーん。」

「ハハッ、そっかじゃあ、なんか話して行こっか」

途中までは、なんてことない日常的な会話をしていった。

好きな動物の話し

これから行く水族館の話し

そんな、たわいもない話しをしているだけでも、幸せだった。

すると…

「楓摩…気持ち悪い……吐きそぅ…………」

「えっ、大丈夫!?車酔いした?もう少しで着くからそれまで我慢できる?」

「うん……」

あと、少しで水族館に着く所だったので、できるだけ急いで駐車場に車を止める。

「朱鳥、水族館着いたよ。トイレで吐く?」

コクん

朱鳥は、無言で頷くと、小走りでトイレまで向かっていった。

朱鳥、大丈夫かな……?

俺も心配だったので、こっそり朱鳥のあとをついていって、トイレの前で待っていた。

すると、中から朱鳥が吐いている声が聞こえてきた。

嗚咽も聞こえてきて、聞いているこっちまで胸が痛くなってきた。

しばらくすると、トイレから、朱鳥が出てきた。

「あれ?楓摩…いたの?車で待ってても大丈夫だったのに……」

「朱鳥、大丈夫?結構、吐いてたみたいだけど…」

「うん、大丈夫だよ。少し車酔いして、気持ち悪かっただけ。少しだけ、休んだら大丈夫だよ。」

「そっか、じゃあ、俺は水買ってくるから、朱鳥はそこのベンチで休んでな。」

「うん。ありがと」