「楓摩……怖い…怖いよぉ…………なんで?なんで私なの?私、死んじゃうの?死んじゃう可能性の方が高いんでしょ!?やだ!やだよぉ……まだ、死にたくない…………だって…私…………グスッヒック……ゴホッ…………ゲホッゴホッゴホッ……」

「朱鳥!!大丈夫?落ち着いて、ゆっくり深呼吸だよ…スーハー…スーハー」

「ふぅ…ま……ゴホッ…ゲホッゴホッ……ハァ…ハァ…………」

やばい、喘息だ。

「看護師さん!喘息です、吸入と喘息止めの点滴お願いします!!」

「はいっ!」

「朱鳥ー、落ち着いて……大丈夫だからね…」

「ゴホッ………………ゲホッゴホッゴホッ……ハァ…ハァ…………ゴホッ」

辛そうに、咳をして苦しそうな朱鳥。

このままでは、呼吸困難になってしまう

「先生っ、持ってきました!」

「ありがと、朱鳥ー、今から咳止める為の点滴するよー、少しチクッとするからね……大丈夫だよ…………」

冷静に点滴を刺す。

「ゴホッ……ハァ…ハァ…………ふぅ…ま……ゲホッ」

「朱鳥、吸入すえる?ゆっくりでいいから吸ってみてー」

「スーゴホッ…ゲホッゴホッ………………ゲホッゴホッゴホッ…ふ……ま…」

朱鳥!?…呼吸困難だ……

「朱鳥ー、わかるー?朱鳥ー?わかったら、手握ってー」

反応がない……

「看護師さんっ!陽向先生呼んで!あと、挿管用意して!」

「はいっ!」

「朱鳥……大丈夫、大丈夫だからね…………」

そういって、朱鳥の手を握る。

「楓摩っ!朱鳥ちゃんは!?」

「陽向、ありがと、助かる。今から挿管するから手伝って!」

「おう!朱鳥ちゃーん、ちょっとごめんね…頭抑えるよー……」

「朱鳥、ごめんねー、ちょっと苦しいよ……」

素早く、挿管していく……

「よし、できた。ありがと、陽向。」

「大丈夫だ、それより朱鳥ちゃんの容態が安定して良かったよ…」

「うん、そうだね……」

苦しそうな顔をしたまま眠っている朱鳥。

そっと、朱鳥の髪を撫でる。

ごめんね…苦しかったよね……

これからも、朱鳥の辛そうな顔を見るのは辛いな……

ごめんね……朱鳥…………