久遠の絆

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「じゃあ、また来るね」


心身に深い傷を負う少女は、けなげにも前を向いて生きていた。


その原因である父親は、塀の中だ。


通報したのは、少女本人だった。


「大好きだよ、父さん」


そういい残し、席を立つ。


それが面接での習慣になっていた。


「蘭」


初めて、父が娘の名を呼んだ。


「済まなかった」


「……ううん。わたしも苦しかったけど、父さんも辛かったんだよね。待ってるからね、ずっと。わたしは、どこにも行かないから」


父はさめざめと泣いていた。







父親との面接を終え、建物の外に出た蘭は携帯に受信履歴があるのに気付いた。


「しまった……」


急いで家に帰り、用意しなくては。


蘭は走った。


これから、素敵なことが待っている。