久遠の絆

「蘭、大丈夫か?」


シドに支えられた。


「うん、平気」


「それ以上、蘭さまに近付くな」


その声に振り向くと、金の指輪を胸の前に掲げるカイルがいた。


『金の守護者め。どこまでも、私の邪魔をする』


「蘭さまを傷付ける者は、私が許さない」


不自由な足を引き摺りながら、カイルはヘラルドに歩み寄る。


指輪をぴたりとヘラルドに向けたままだ。


『くく……。多少の抵抗は歓迎だ。簡単に事が済むのは、私も面白くない』


また赤い光が強くなる。


カイルとシドは身構えた。


背中から血を流しながら、ヘラルドは再び赤い閃光を放った。







「ナイルターシャ?」


その時シェイルナータは妹の異変に気が付いた。


ナイルターシャの体が緑に輝いている。


そして、左手の薬指には緑の指輪。


確か、マトという少年が持っていた筈だ。


それが、どうしてここに?


「は。まさか、お前?」


シェイルナータの問い掛けに、ナイルターシャは瞼を閉じたまま微笑んだ。


そして、思念によって、シェイルナータに話し掛ける。


(姉さま。私はここまで。この緑の石。姉さまに預けましょう)


「ナイルターシャ!」


(ずっと、姉さまの苦しみに気付けなくて、ごめんなさい。どうか、世界を救って……)


「分かった。分かったよ。ナイルターシャ。お前の想い。決して無駄にはしない!」


シェイルナータがそう叫んだ時、彼女の体もまた、緑に輝いた。


それからゆっくりと、消えていく。


ふたりの体から緑の光がなくなった時、シェイルナータは妹の命もまた終わったことを知った。


シェイルナータの指には緑の石。


巫女姫としての力も預けられ、シェイルナータは強く頷いた。


「お前の想い。確かに受け取ったよ」