久遠の絆

瞼を開けると、心配そうに蘭の顔を覗き込む三人と眼が合った。


「どどどどうしたの、みんな?」


「ああ、蘭。無事だったんだねえ」


「どこも、何ともねえか?」


「う、うん。ないよ。ないない」


「そっか。良かった~」


抱き着かんばかりに喜びを表すシドに、ほっと小さく息をつくカイルと。


相変わらず、反応の対照的な二人だった。


「では、勝ったのだな?」


シェイルナータの問いに、蘭は小首を傾げた。


「う~ん。勝ったというか、理解し合えたというか……」


「いずれにせよ、うまく行ったのだな」


「はい。もう大丈夫です」


「よし!後陣の憂いがなくなった所で始めるぞ」


「はい!」


蘭は祭壇を飛び降りた。


「シェイルナータさま。ナイルターシャさまは……」


「眠ってるよ」


「……どうしてシェイルナータさま。ヘラルドじゃなく、わたしたちの方に?」


蘭は、そのことがどうしても気になっていた。


それは、カイルもシドも同じらしい。


「そうだね。言わなきゃならないかねえ。私は本気で、ヘラルドに加勢していたんだよ。挙げ句の果てに、自分の村まで破壊したんだ」


「セイアの時から?」


「そうさ。憎い恋敵だよ、セイアは。心底ヘラルドを愛してた。それは今も変わらない。私には、彼がすべてだったのさ」


「……」


「だけどねえ、ナイルターシャをさらいにガルーダに行った時」


「え!」


「ああ、あの時さ。あんたに会いに行った日」


蘭はイーファンの部屋に、シェイルナータが現れた日のことを思い出した。


「あ、あの時」


「そう。あのあと、私はナイルターシャの元に行ったのさ。ヘラルドの要求は、妹を殺すこと。けど、私は出来なかったんだよ」


「……」


「あの子のことを見たら、どうしても出来なかったんだ」


「悪党になり切れなかったんだな」