久遠の絆

『良かった、蘭』


光が弱まり、聞こえた声は。


その声は、くぐもった男の声ではなかった。


(え?)と思い腕をどけると、そこには自分が立っていた。


「えっ。え~?!」


『驚くな。わたしは、お前だ』


もう一人の蘭は、本人と同じ声でそう言った。


「黒い、男は?」


『お前の心の闇が晴れたから。わたしも元に戻った』


「あ……」


もう一人の蘭は、優しい微笑みを浮かべている。


『よく頑張ったな。さあ。わたしはお前の中に戻ろう』


そう言うと、蘭の胸に手を翳した。


「戻る?」


『そう。これからは、ずっと一緒。お前の苦悩は、わたしが受け止める』


ああ、そうか。


蘭は理解した。


「うん。ずっと一緒」


二人が重なった。


ストンと何かが収まった。


その時にはもう、もう一人の蘭の姿はなかった。



「わたしがずっと怯えていたのは、わたし自身の心だったんだね」







さあ


戻ろう


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