何かを話すイーファンの声が、風を突き抜けて聞こえてきた。
「イーファンさん、隠れてないの?!」
「いいから。お前は頭引っ込めろ」
シドは自分の胸にぐいっと蘭を押し付けた。
そのまま耳を澄ますと、イーファンとシェイルナータの話し声が聞こえる。
「イーファンにはイーファンの解決しなきゃならないことがあるんだろ」
(ああ、そうか)
危険も省みずにシェイルナータと対峙するのは、彼自身がシェイルナータと話したいからなのだ。
蘭はそう納得した。
イーファンは自分の周りに障壁を作り風を防いでいた。
半透明の光の膜が、イーファンを風から守っている。
皆までを守れるだけの障壁は作れなかった。
(私もいよいよ衰えたらしい)
だが、負ける訳にはいかない。
イーファンはきっと顔を上げ、シェイルナータを睨み付けた。
「シェイルナータ。あなたはこの惨状を知っていたのですか?」
「知ってるも何も。こうしたのは私だからさ。イーファン。巫女姫はもう生まれないよ」
「なんということを」
絶句するイーファンに、シェイルナータは可笑しそうに笑っている。
「そこまでして、あなたはヘラルドに?」
「そうさ。彼は私のすべてだから」
「同朋を殺し、村を破壊することに何の罪悪感もないのか?」
「ないね」
「シェイルナータ!」
「ヘラルドが破壊を望むなら、私もそうする。それが私の、彼への愛」
「っ黙れ!」
さらなる風が巻き起こった。
そして雷が鳴り、大粒の雨が降り始めた。
「イーファンの奴、暴走しやがったな」
「え?」
「この隙に、俺たちは神殿に向かおう。行くぞ」
決断したシドの動きは素早かった。
「イーファンさん、隠れてないの?!」
「いいから。お前は頭引っ込めろ」
シドは自分の胸にぐいっと蘭を押し付けた。
そのまま耳を澄ますと、イーファンとシェイルナータの話し声が聞こえる。
「イーファンにはイーファンの解決しなきゃならないことがあるんだろ」
(ああ、そうか)
危険も省みずにシェイルナータと対峙するのは、彼自身がシェイルナータと話したいからなのだ。
蘭はそう納得した。
イーファンは自分の周りに障壁を作り風を防いでいた。
半透明の光の膜が、イーファンを風から守っている。
皆までを守れるだけの障壁は作れなかった。
(私もいよいよ衰えたらしい)
だが、負ける訳にはいかない。
イーファンはきっと顔を上げ、シェイルナータを睨み付けた。
「シェイルナータ。あなたはこの惨状を知っていたのですか?」
「知ってるも何も。こうしたのは私だからさ。イーファン。巫女姫はもう生まれないよ」
「なんということを」
絶句するイーファンに、シェイルナータは可笑しそうに笑っている。
「そこまでして、あなたはヘラルドに?」
「そうさ。彼は私のすべてだから」
「同朋を殺し、村を破壊することに何の罪悪感もないのか?」
「ないね」
「シェイルナータ!」
「ヘラルドが破壊を望むなら、私もそうする。それが私の、彼への愛」
「っ黙れ!」
さらなる風が巻き起こった。
そして雷が鳴り、大粒の雨が降り始めた。
「イーファンの奴、暴走しやがったな」
「え?」
「この隙に、俺たちは神殿に向かおう。行くぞ」
決断したシドの動きは素早かった。


