横たわるナイルターシャの体もまた宙に浮かんでいた。
「ナイルターシャさまをどうするの?」
「さあてね。このまま死なせてしまうのも忍びない。なんと言っても、可愛い妹だ」
「だったら、放してあげて!」
蘭の悲痛な叫びも空しく、シェイルナータはにやにやと笑っているだけだ。
「シェイルナータ。あなたに少しの良心が残っているなら」
「おや、イーファン。良心なんて、お前さんがよく言うよ。セイアを死なせたのは、お前さんじゃないか」
「なっ」
「シェイルナータさま。それは違う!」
顔を青くするイーファンを庇うように、蘭が彼の前に立った。
「悪いのは全部、ヘラルドだよ!シェイルナータさまもほんとは分かってるくせに」
「小癪なことを言うんじゃないよ」
シェイルナータが腕を振るう。
「蘭!」
咄嗟に傍にいたマトが彼女に覆い被さる。
その上を刃のような突風が吹き抜けていった。
「くっ」
マトは裂けた皮膚から血を流している。
「マト!」
構わず、次々と風の刃を繰り出してくるシェイルナータ。
「蘭、こっちだ!」
シドが蘭の腕を引っ張り、崩れた家の陰に隠れた。
「みんなが!」
「それぞれ隠れたさ。頭、引っ込めとけよ」
壁に風の当たる音がする。
ビシッとえぐられているような音だ。
あれが生身の体に当たれば、ひとたまりもないだろう。
「マト。血が出てた」
「あいつは案外鍛えてるからな。ちょっとやそっとのことじゃ、やられないさ」
いつもの言動とは裏腹に、シドはマトを認めている部分もあるのだという気がした。
「ナイルターシャさまをどうするの?」
「さあてね。このまま死なせてしまうのも忍びない。なんと言っても、可愛い妹だ」
「だったら、放してあげて!」
蘭の悲痛な叫びも空しく、シェイルナータはにやにやと笑っているだけだ。
「シェイルナータ。あなたに少しの良心が残っているなら」
「おや、イーファン。良心なんて、お前さんがよく言うよ。セイアを死なせたのは、お前さんじゃないか」
「なっ」
「シェイルナータさま。それは違う!」
顔を青くするイーファンを庇うように、蘭が彼の前に立った。
「悪いのは全部、ヘラルドだよ!シェイルナータさまもほんとは分かってるくせに」
「小癪なことを言うんじゃないよ」
シェイルナータが腕を振るう。
「蘭!」
咄嗟に傍にいたマトが彼女に覆い被さる。
その上を刃のような突風が吹き抜けていった。
「くっ」
マトは裂けた皮膚から血を流している。
「マト!」
構わず、次々と風の刃を繰り出してくるシェイルナータ。
「蘭、こっちだ!」
シドが蘭の腕を引っ張り、崩れた家の陰に隠れた。
「みんなが!」
「それぞれ隠れたさ。頭、引っ込めとけよ」
壁に風の当たる音がする。
ビシッとえぐられているような音だ。
あれが生身の体に当たれば、ひとたまりもないだろう。
「マト。血が出てた」
「あいつは案外鍛えてるからな。ちょっとやそっとのことじゃ、やられないさ」
いつもの言動とは裏腹に、シドはマトを認めている部分もあるのだという気がした。


