◇◇◇
やっとの思いで辿り着いた巫女姫の村は荒れ果てていた。
「そんな……」
イーファンは愕然として立ち尽くしている。
村を見渡せる小高い 丘の上。
そこからでもはっきりと分かるくらいに荒廃していた。
「年月とはかくも、儚いものなのか」
「イーファンさん」
蘭は掛ける言葉が見つからなかった。
彼の同胞はもういないのだ。
「私はやはり長く生きすぎたようですね」
イーファンは思い切ったように、丘を下り始めた。
皆それに付いて行く。
足を悪くしているカイルは一番後ろ。
ニアスに支えられながら、黙々と足を動かす。
旅の間、終始そうだった。
そんな彼を立派だと思いながら、蘭は避けていた。
あの時彼が見せた、思わぬ激しさに戸惑っているからだ。
カイルはあんな人じゃない。
寡黙で、いつも冷静で。
なのに何故、あの時はそんなものをかなぐり捨てて言い募ってきたのか。
分からなかった。
ぽっかりと開いた穴があるのは確か。
だが、それを見つめようとすると、途端に頭が重くなる。
小さく溜め息を吐いて顔を上げると、丘を下り切り、村の中に入っていた。
(ぼんやりしてちゃ駄目だ。しっかりしなきゃ)
人気のない村を歩いて行く。
イーファンの足取りは心なしか重い。
確認するように、家の中を覗いて行った。
誰もいないと分かりきっているのに。
「ここには人が住んでいると?」
シドの問い掛けに、イーファンはゆっくりと頷いた。
「ええ、確かに。ずっと感じていました。人の営みを。つい最近まで、ずっとね。それがどうして急に……」
「まさか、ヘラルド?」
シドの言葉に、イーファンの表情が強張った。
「ヘラルド。彼が……?」
やっとの思いで辿り着いた巫女姫の村は荒れ果てていた。
「そんな……」
イーファンは愕然として立ち尽くしている。
村を見渡せる小高い 丘の上。
そこからでもはっきりと分かるくらいに荒廃していた。
「年月とはかくも、儚いものなのか」
「イーファンさん」
蘭は掛ける言葉が見つからなかった。
彼の同胞はもういないのだ。
「私はやはり長く生きすぎたようですね」
イーファンは思い切ったように、丘を下り始めた。
皆それに付いて行く。
足を悪くしているカイルは一番後ろ。
ニアスに支えられながら、黙々と足を動かす。
旅の間、終始そうだった。
そんな彼を立派だと思いながら、蘭は避けていた。
あの時彼が見せた、思わぬ激しさに戸惑っているからだ。
カイルはあんな人じゃない。
寡黙で、いつも冷静で。
なのに何故、あの時はそんなものをかなぐり捨てて言い募ってきたのか。
分からなかった。
ぽっかりと開いた穴があるのは確か。
だが、それを見つめようとすると、途端に頭が重くなる。
小さく溜め息を吐いて顔を上げると、丘を下り切り、村の中に入っていた。
(ぼんやりしてちゃ駄目だ。しっかりしなきゃ)
人気のない村を歩いて行く。
イーファンの足取りは心なしか重い。
確認するように、家の中を覗いて行った。
誰もいないと分かりきっているのに。
「ここには人が住んでいると?」
シドの問い掛けに、イーファンはゆっくりと頷いた。
「ええ、確かに。ずっと感じていました。人の営みを。つい最近まで、ずっとね。それがどうして急に……」
「まさか、ヘラルド?」
シドの言葉に、イーファンの表情が強張った。
「ヘラルド。彼が……?」


