久遠の絆

「座りなよ」


隣を指差すと、ニアスは少し躊躇ってから腰を下ろした。


「カイルさまが守護者だなんて、これからどうなるのか。考えたら、夜も眠れなくって」


「……そうだね」


「グレン中将は、何とかなるさみたいに軽く考えてるけど、そんな簡単なことじゃないでしょう?まして守護者なんて、どんなことをするのかすら分からないんだし」


「うん……」


ニアスも不安なのだろう。


ずっと仕えてきたカイルが、未知の世界に足を踏み入れたことに対して。


けれど、それは蘭も同じで。


「あっ。蘭さまも不安に思われてますよね。すいません。僕、カイルさまのことになったら駄目なんです」


「ふふ……いいよ。ニアスは、カイルのことが大好きなんだものね」


見る間に赤くなるニアス。


「あ、あの、好きって言っても、別に変な意味ではなく……」


「分かってるよ」


ニアスの動転ぶりが可笑しくて、蘭は笑った。


久しぶりに声を上げて。


心がふっと軽くなる。


「ありがと。ニアス」


「え。何がです?」


「ううん。いいの」


「?」


「カイル。守護者なんかになって、びっくりしてたでしょ?」


「ああ。ええ、そうですね。でも」


「でも?」


「これで、より蘭さまを護りやすくなったって、仰ってました」


「そ、そう」


何だか、恥ずかしい。


「すすすすす」なんて告白しかけたことが甦る。


蘭は人知れず顔を赤くした。


「もし、巫女姫の村まで行くことになったら、ニアスも行くんでしょう?」


「もちろんです。カイルさまから離れることは出来ませんから」


「そう、だよね」


ニアスのカイルへの思いには、相当なものがあるらしい。