久遠の絆

「さて、かつて金の守護者であったあった私にも、多少感じることは出来るようで、その可能性のある人たちをここに集めた訳ですが。これからでも、構いませんか?それとも、今日はもう休みますか?」


普段なら、もう就寝している時間だった。


けれど。


「時間がないんですよね。シェイルナータさまも何か企んでそうだったし」


「ええ、そうですね」


「だったら、今からやりましょう。まだ皆食堂にいるんじゃないかな」


「ありがとう、蘭さん」


「いいえ。イーファンさんがいてくれて、ほんとに良かったって思うんです」


彼がいなければ、とっくに投げ出していただろうから。


「では、参りましょうか」


イーファンはもう一度指輪を小箱に戻すと、大事そうに懐にしまった。


「シェイルナータはこれを奪還に来るかもしれませんから」


「あ……。そうですね」


確かに、今もどこかに身を潜めていて、いざという時に奪おうと現れるかも知れない。


衣の上からしっかりと小箱を押さえているイーファンの表情は、心なしか緊張しているように見えた。


通路に出ると、食堂の方からはまだ喧騒が聞こえてくる。


「やっぱり、やってるんだ」


半ば呆れ気味に蘭が言うと、イーファンも緊張を和らげ、苦笑した。


「シャルティがいますからね」


「シャルティさんって、そういうの好きなんですね」


「根っからの、お祭り人間ですから。締めるところは締め、緩めるところはとことんまで緩くする。それが、彼のいい所ですよ」


食堂に入って行くと、シャルティがいち早くイーファンを見つけたようだ。


「お、イーファン、どうした?珍しく飲む気になったか?」


「いいえ。そろそろお開きにしたらどうかと思いましてね」


「そっちかよ」


「シドさんは……いますね。マト、カイルさんは部屋に?」


「ああ。どうしたんだ?」


「君たち、呼んで来てくれませんか」


傍らにいた若者たちにそう言うと、イーファンに声を掛けられただけで舞い上がったのか、彼らは足や体をテーブルにぶつけながら食堂を出て行った。