久遠の絆

ほとほとと、蘭はノックした。


そこはイーファンの部屋だった。


先程ニアスが飛び込んで来たのは、イーファンが蘭を呼んでいる旨を伝える為だったのだ。


一人にしてくれと言ったイーファンに、今度は何の用で呼ばれたのか。


蘭は少し気を重くしながら、部屋の中へ入って行った。


「まだお休みではなかったのですね」


「は、はい。皆と一緒だったから」


「楽しく出来たようで、良かった」


イーファンは当たり障りのないことばかりで、なかなか用件を切り出そうとはしない。


「あの、何かあったんですか?」


「ああ、そうですね。せっかく来て頂いたのに、世間話ばかりではいけませんね。蘭さん」


「はい」


「これを見て下さい」


言って、イーファンは木で出来た小箱をふたつ、蘭の目の前に差し出した。


見た瞬間、蘭の胸がざわめいた。


「これは……?」


一歩後ずさる蘭に構わず、イーファンは小箱の蓋を開けた。


途端、目がくらむ。


眩しい光などないのに、目の前が真っ白になった。


手を翳す蘭の手首を、イーファンは掴んだ。


「大丈夫ですか、蘭さん」


「あ……眩しくて」


「中にあるものと共鳴したのですね」


「共鳴?」


ややして眩しさはなくなり、蘭は箱の中を覗き込んだ。


「あっ」


金と銀の石が嵌まった指輪。


それぞれの箱に納められていた。


「これが、守護者が嵌める、金の指輪と銀の指輪です」


蘭の元いた世界にある金銀とは違う物のようだった。


むしろダイヤモンドのような宝石に近い。


それ自体が金と銀に光る、美しい石だった。


「これを守護者が?」


「はい。早急に、これらの指輪の持ち主を見出ださなくてはならないのですが、伝説の巫女姫がいなくては難しいのですよ」


「ナイルターシャさまが?」


「はい。ですが、彼女はここにはいない。そこで、あなたに協力して頂こうと思って」