久遠の絆

「蘭は俺が守る」


その言葉に、視線をシドへと戻したカイルは、聞き捨てならないと首を横に振った。


「いや。蘭さまをお守りするのは、元より私の役目だ」


きっぱりと言い切ったカイル。


そのカイルを睨むシドの口元に、微かな笑みが浮かんだ。


「やっと正直な気持ちを表したな、カイル。意固地なお前も、どうやら蘭に関しては素直になるらしい」


「……」


「だが、譲るつもりは全くない。あの子は、俺のだ」


心なしか、カイルが不機嫌になったようだ。


「蘭さまは誰のものでもない。ましてや、お前の所有物のように言うのは感心しないな」


「だから、いい子ぶるなって言うんだ。はっきり言えよ。蘭に手を出すなってな。まあ、そう言われても、絶対引かねえがな」


カイルがガタッと椅子を鳴らして立ち上がった。


その音は思いの外大きかったようで、食堂にいる者全員の視線を集めることになってしまった。


もちろん蘭もだ。


それまで騒々しかった食堂が、一気に静まり返った。


その中で、シドはカイルの言葉を待った。


「私がお守りする。手出しは無用だ」


そう言い捨て、カイルは食堂を出て行った。


ニアスが慌てたように、主の後を追って行った。


シドの元へはグレンが。


「あんたか」


「んな、面白くなさそうにすんなよ。カイルっち、どうしたんだ?随分長い間、話し込んでたな」


「……さあ。やはり、どうもあいつとは意見の相違があるらしい。それだけだ」


「ああ、そっか。殴り合わなかっただけ、お前さんたちも大人になったって事だな」


「ふ……そういうこと。ところで、グレンの旦那」


「ん?」