久遠の絆

「……」


「なんだ?不満か?」


「そうなれば、また多くの人命が失われる」


「はっ。ここに来て、不戦論者か?そうしなくても、いずれにせよ、ヘラルドによって多くが殺されるんだ。ならば、少しでも助かる方法を取るべきじゃないか?」


「高密度粒子砲の応酬で、どれだけが助かると?」


「……どこまでもいい子ぶるんだな、お前は」


「そういうことではないだろ?」


「協力するのか、しないのか、どっちだ」


「高密度粒子砲の使用に関しては、断る」


「……ああ、いいだろう。それで、最後に後悔することになってもいいならな」


「人員の確保に関しては。ダンドラークで身を隠していた帝国軍の兵士や民間人などが、こちらの大陸に渡って来る手筈になっている。少し時間は掛かるかも知れないが」


「ほう。一応やる気はあるんだな」


「私が反対しているのは、粒子砲に関してだけだ。それ以外はお前と同じ。このままで終わらせる訳にはいかないんだ」


「いいだろう。なら、お前は人員の確保。俺は兵器の開発。役割は分担出来た訳だ。異論はないな?」


「ここでは兵器など造れないだろう?」


「あの男、なかなか使えるようだ」


ここに来て、ふたりの視線がようやく互いから外れ、未だに輪の中心で盛り上がっているシャルティへと向けられた。


「この組織の指導者だったな」


「ああ。あいつ。ここの地下でとんでもない物を造っていやがった」


「とんでもない物?」


シドは声を潜めた。


「戦艦の建造ドック」


「!」


「すでにニ隻、完成済みだ」


先程シドが一人で姿を消したのは、それを確認する為だったのだと、カイルは合点がいった。