久遠の絆

「飲まなきゃ、話せない時もあるだろ」


「……まあ、そうだな」


そのまましばらく、ふたりは無言でグラスを傾けていた。


無言ではあったが、彼らの間にはさまざまな思いが交錯している。


彼らの道が別たれたのは17の時。


あれから五年。


長い年月を経て、再び差し向かいで座った。


不信や憎しみばかりの年月。


それを埋めるのは容易いことではない。


「飲まなければ話せない」


それも彼らが大人になったからこその、対処法なのかも知れなかった。


「俺も捨て駒の一つだったらしい」


「ああ」


ぽつりぽつりと会話が始まった。


「巧く乗せられたもんだと思うが、諦めたわけじゃない。だから、ここにいる」


「……」


「まずは、奴に如何に対抗するか、だ。武器の収集だけでなく、人員も足りない」


「……」


「それには、お前の協力が不可欠だ」


「すべてを水に流して?」


「ふ……流し切れるものではないだろう?昔には戻れない」


「それを分かっていて、私の協力を?」


「ダンドラークを見捨てることが出来るのか?」


「……」


「皇帝や皇女、貴族。処刑はまだ行われていない筈だ。彼らを助けたいとは?」


「……ああ、もちろんだ」


「ならば、手を組むしかないだろう。俺とお前なら、ヘラルドに対抗し得る」


「……何か考えが?」


「俺の頭には、同盟の兵器に関する知識が詰め込まれている。それを活用しない手はない」


「なるほど」


「高密度粒子砲」


「!」


「あれも、物資さえあれば、開発できるってことだ」