久遠の絆

「だ、大丈夫。自分で、降りられるから」


「……そうですか」


差し出された手は、存外あっさり引かれてしまった。


どうしても近付けない距離を感じる。


彼に再会できて嬉しいのか、それとも辛いのか。


蘭は分からなくなっていた。


イーファンに見送られるようにして部屋を後にすると、通路にはシドとマト、そして見慣れぬ大男がいた。


どうやら、シドと熊のような大男は、無言のまま睨み合っていたらしい。


「あんた、いける口か?」


シャルティがグレンに問うた。


「まあ、多少はな」


「よっし。飲むぞ~!」


シャルティ、グレン、ニアスは、肩を組みながら食堂へと消えて行った。


「大丈夫か?」


三人をぼーっと見送っていた蘭に、シドが声を掛けた。


「うん。わたしは、大丈夫。ごめんね。皆に心配掛けて」


「構やしない。お前が元気なら、それで」


「蘭さま。こちらに」


カイルが、シドと蘭の間に割って入った。


促すように、彼女の肩を抱く。


「蘭は、俺が連れて行くよ」


マトが逆の肩に手を置いた。


すかさず、シドがその手を払う。


「いや、坊やでは役不足だ」


「だから、坊やって言うなよ」


シドとマトが火花を散らす。


そこにカイルも加わって、事態は三つ巴の様相を呈していた。


蘭を巡る男の争いもまた、これから激化していくことになる。