久遠の絆

「私は、カイル・アルファラ。ダンドラーク帝国で、元帥をしていたものです」


(やはり……)


イーファンはさして驚かなかった。


そうではないかと感じていたからだ。


しかし、シャルティの驚きは相当な物だった。


「カ、カイルって、行方不明だって言われてる?」


「世間では、そのようなことになっているみたいですね」


「じゃあ、そちらのでっかい人は?」


「自分だって、でっかいじゃないか」


熊が不満そうに言った。


「いやいや。あなたには敵わないですよ」


「彼は、ゲルシュ・グレン。帝国では中将を」


カイルが紹介すると、シャルティは「あっ」と小さく叫んだ。


「熊の中将って、あんたのことか!」


「部外者に熊と言われれば、さすがにいい気はせんな」


(え~、そうなんだ)


ニアスは意外だった。


「それは、失礼。噂に聞く豪傑にお会いできて、光栄ですよ」


シャルティはそう言って、右手を差し出した。


「あ、ああ、どうも。いや~、豪傑なんて、それ程でも~」


グレンは照れながらもそれに応え、しっかりと手を握り合った。


ふたりの間には、この時すでに友情が生まれていたようだ。


「それで、どうしてここに?」


一通りの挨拶が終わると、改めてシャルティが問うた。


「ダンドラークにいれば確かに捕まる公算は高まるが、わざわざ砂漠まで来たのには、それなりの理由があるんだろう?」


「人を探しに。砂漠にいると、聞いたので」


カイルが答えた。


その眼前に、探し人の面影を見ているように思えた。


「人探し、ねえ。そんな体で探さなきゃならないほど、大切な存在なのか?」


「ええ、そうです」


ニアスも、グレンも、詳しいことは聞いていない。


ただ、その人探しがカイルの生きる力になるのならと思っていた。