久遠の絆

「おい、そこのおふたりさん。ちょっと岩影に隠れてくれよ!」


マトとマヤが振り向くと、シャルティがこちらに走って来ていた。


「シャルティさん、どうしたんですか?」


そっぽを向いてしまったマヤを放って、マトはシャルティの元まで走った。


「レーダーに飛行物体が移ったんだ。正体が分からんからな」


「はい、すぐに。マヤ、こっちだ」


呼んだが、マヤは動かない。


「もう、仕方ないなあ」


マトはまたマヤの方へと戻って行く。


そんなマトを見て、シャルティがぽつり。


「あいつは、女で苦労するな」


その呟きは、マトには届かなかった。





何とかマヤを移動させ、岩影に隠れてすぐに、頭上を一機の飛行艇が通り過ぎて行った。


日の光が反射して、機体は黒い影にしか見えなかった。


「様子がおかしいな」


その飛行艇はフラフラと飛びながら、徐々に高度を下げている。


やがて砂漠の上に軟着陸した。


かなり離れた所で砂煙が上がる。


「行くぞ!」


シャルティは素早く岩影を飛び出し、一旦洞窟の中に戻ったかと思うとすぐに、愛馬を駆って飛び出して来た。


そしてマトの腕を引っ張り、馬上へと上げた。


「ちょ、ちょっと、わたしは?」


「何があるか分からないから、君はここにいろ!」


シャルティに言われてしまえば、さすがのマヤも文句を言えなかった。


どんどん遠ざかるふたりの無事を祈ることしか出来なかった。