久遠の絆

「ここでばばさまの所に帰ったら叱られるよ。なんで言い付け守らなかったってさ。それに、ばばさまを守るって約束してくれた人がいるから」


「え、誰?」


「えっと……リリカって言ったっけ」


「リリカ?!」


「ランの知ってる人?」


「う、うん。わたしがあの屋敷にいた時には、ずっとわたしの世話をしてくれてたの」


「ああ、そうか。だから……。あの人、ランのことが好きだって言ってたよ。ランの大切な人だから、ばばさまのことも守るって」


「そっか……」


リリカ。彼女がナイルターシャの元にいるなら心配はない。


そう思った。


監視されていたことで窮屈な思いはしたけれど、同世代の女の子ということで、気安い部分があったことも事実。


最後は、ヘラルドという巨大な敵と戦う戦友のような気持ちにもなっていた。


彼女がもしヘラルドの部下でなければ、ふたりはもっと仲良くなれていたに違いないと蘭は思った。


「落ち着けば、ばばさまを迎えに行く。それまではランの側にいるよ」


白い歯を見せて笑うマトに、蘭は心底からホッとするのだった。




「ちょっと、おふたりさん」


刺のある声にそちらを向くと、マヤがもの凄く面白くなさそうな顔をして、こちらを見ていた。


「マヤ、どうしたの?」


「どうしたのじゃないよ、マト。わたしの存在、完璧に忘れてたでしょ」


「え、そんなことないよ。覚えてるよ」


「そうかしら。ランと話すのに夢中になって、鼻の下伸ばしちゃってたくせに」


「マヤ……」


兄を他人に取られそうな妹のヤキモチなのだろう。


マトには分かっていたが、それに付き合うのも馬鹿らしい。


「訳分かんないことで怒ってないで、お前もランと仲良くしなさい。これからずっと一緒にいるんだから」


マヤの頬がぷぅっと膨らんだ。