久遠の絆

「マトはいいね。いつも側にいてくれて、何があっても、どんな時でも味方になってくれる人がいて」


マトは目を見開いて、蘭の横顔を見つめた。


憂いの濃い影が、蘭の横顔に落ちていた。


何故彼女がそのようなことを言うのか、真意がつかめなかった。


ややして、マトは言葉を選ぶように言った。


「俺がいるよ」


ゆっくり顔を上げた蘭は、彼が何と言ったのか、よく分かっていないようだった。


そんな蘭に、マトは深く頷いた。


「俺はその為にここに来たんだ。だから安心して、ラン。俺が君の側にいるから。ずっと側にいて、君のこと守るよ」


蘭はまじまじと、本当にまじまじと、マトの顔を見返してしまった。


そんなことを言って自分の行動を制約してしまったら、いつか身動きが取れなくなってしまうのに。


マトは口先だけでなく、蘭の側にいると言っている。


「そんなこと、言わないほうがいい。マトはわたしの背負う役目を知ってるんだし。それもいつになったら果たせるのか……。マトには、やらなきゃならないことがたくさんあるんでしょう?」


「村のことは皆で何とかするから。ばばさまにも言われたんだ。ランを頼むって」


「ばばさま……ナイルターシャさまに会ったの?!」


「うん、会った」


「お元気だった?どうされてた?わたしもずっと気掛かりだったの」


「元気……だったのか……。随分痩せたように見えたけどね。ジャングルの村に早く帰してあげたい。そう思ったよ」


「そうだよ。わたしなんかいいから。早くナイルターシャさまを助けてあげて。ナイルターシャさまこそ、守ってあげなきゃいけないよ」


瑠璃の巫女の替えは幾らでもいるが、伝説の巫女姫はナイルターシャだけ。


そんな考えが蘭の頭を過ぎる。