久遠の絆

「この先、どうするつもりだ?」


「とりあえずは泳がせておくさ。私と張り合えるだけの力を持った時、徹底的に踏み潰してやろう。立ち上がれない程の絶望を味あわせてやるのだ」


「私に出来ることは何でも協力するぞ」


「頼りにしている」


そう言われ、シェイルナータは嬉しそうに微笑んだ。


その言葉だけでいい。


それだけで幸せだった。


「そうだな。何もしないでいるのもつまらんな」


そう言うと、ヘラルドは顔を奇妙に歪めた。


それが笑っているところなのだと、シェイルナータでさえ理解するのに時間がいった。


昔はもっと上品な笑顔をしていた筈だった。


この人はどこかで自分自身を歪めてしまったのだと思うと、シェイルナータは胸が痛かった。


(そんな人だと分かっていて、愛したのではなかったか。それでも自分はまだ、ヘラルドに善良な部分を期待しているのだろうか)


シェイルナータは自問したが、結局答えは出なかった。


彼女自身、ヘラルドのどこを愛したのかと尋ねられても、容易には答えられないのだ。


愛したのがヘラルドだったから。


ただそれだけ。


だから、彼に付いて行く。


彼の為そうとすることに手を貸すのだ。


少しでも彼の心に寄り添いたいから。


だから、あらゆる人を裏切っても彼の側に居続ける。


この巫女姫と同等の力でもって、世界を破滅させるまで。


「ヘラルド。お前のために力を使う心積もりはとっくに出来ている。いつでも命じてくれ。“破壊せよ”と」


ヘラルドは安楽椅子にゆったりと腰掛けたまま満足げに微笑んだ。


見える方の眼が、シェイルナータを見つめている。


真っ直ぐに。


それだけで、シェイルナータの心は、喜びに震えるのだった。





「まずは、ナイルターシャ。お前の妹だ」


そして、ヘラルドは命じた。