久遠の絆

そして連絡機器に飛び付く部隊長。


しかし手に触れる前に、素早く動いたカイゼライトに羽交い締めにされていた。


首元に、細身の短剣が突き付けられている。


「な、何を!」


突然のことに目を白黒させている部隊長に、シドは不敵に笑んで見せた。


「俺は手荒な真似は好きじゃない。出来れば穏便に済ませたいんだ。何も難しいことを頼んでるんじゃない。ただ、そこのエレベーターを使わせてくれと、そう言ってるんだ」


「こここここのエレベーターは俺だけに許されてるんだ!」


艦の司令官の特権か。


「ふーん」


シドは冷ややかな目で、部隊長を見下ろしている。


部隊長の額に、一気に冷や汗が吹き出した。


「なら、あんたも一緒に乗ってくといい」


「なななんだと?!」


「あんた専用なら、あんたも乗れ。そうすりゃ、丸く治まるだろ?」


「なななんにも治まってないぞ!」


「そんなことはない。俺たちは甲板に行け、あんたも大好きなエレベーターに乗れる」


「別に大好きじゃない!」


見れば、カイゼライトは肩を小刻みに震わせながら笑っている。


その揺れが手に伝わり、短剣がプルプル揺れて切っ先が当たるからか、部隊長は首をのけ反らせている。


こんな状態で笑えるカイゼライトも、存外豪胆なのかもしれない。


「さて、俺たちはあんたを殺ってからでもいいんだが、どうする?」


なりを潜めていた冷徹さを覗かせて、シドは最後通告を部隊長に投げかけた。


部隊長は顔を引き攣らせ、「わわ分かった!」と叫んだ。


「よろしい。では、ご同乗願おう」


いつの間に追い付いたのか、ランデルがエレベーターを操作している。