久遠の絆

艦内は混乱を極めていた。


海賊の侵入など予想だにしなかった戦艦側の兵は、完全に浮き足立っている。


銃を構えながらもおたおたする兵の間を縫うように、海賊たちが走っていた。


そして、シドを始めとする3人も。


ランデルが先頭を行く。


次にカイゼライトが。殿(シンガリ)はシド。


ランデルが吹き矢で道を切り開き、カイゼライトはその援護射撃、シドは後ろの敵に集中する。


梯子段を探し、上の階へ。


段へ足を掛けた途端、その足元へ弾が撃ち込まれた。


シドは後ろ向きに段を上りながら、その敵に向かって銃弾を放った。


自身のこめかみの横を過ぎる弾の音を聞きながら、倒れる敵を視認して最上段まで上った。


そこにも兵は待ち受けていた。


梯子段を上ったすぐ脇に数人立っていたが、下の階に比べると、まだそれ程兵が集まっていない。


突然現れた3人に驚いているのか、皆固まっている。


「この辺りは居住区域だからな」


同盟内部の事情に詳しいシドがそう言った。


「突破するぞ」


「了解」


シドだけでなく、カイゼライトも帝国貴族であっただけに、義務である軍事訓練を受けている。


白兵戦も当然想定内だ。


3人は銃を構える兵に向かって走った。


近距離だっただけに、銃弾が放たれた瞬間に相手の懐に飛び込んだ。


シドの拳が相手の顔面を捕らえる。


カイゼライトの長い足が、兵士の胴に食い込んだ。