久遠の絆

「私は少しでも安心していたいのだ。お前だけでも少しでも安全な場所にいてもらいたい……」


「だから、カイル?」


「私が唯一心を許せる友だから」


「……彼が裏切ることはないと?」


妹の鋭い言葉に、ジュラークⅠ世はスッと腕を解き身を離した。


そして半ば目を伏せ、

「それは、どうとも言えないな。信じるしかできない」



かつてもう一人の親友であった男が、今敵陣の要にある。


それはどんなに気持ちを入れ替えても、皇帝の心にずっしりと重く圧し掛かってくることだった。


さらに戦況が悪化していくにつれ、人々の心は欺瞞に満ちていくだろう。


何が真実で、何が嘘なのかすら、見極めることが難しくなっていく。


(何か希望がほしい)


異世界から来たランという娘が、果たしてその希望と成り得るのか。


皇帝には分からなかった。