久遠の絆

実際世間ずれしていないことがはっきりと分かる青年、いや、いまだ少年の域を脱していない、無垢な瞳を持つ子だと、シャルティは思っていた。


あまり周囲にはいないタイプ。


申し訳ないと思いながら、その御しやすさが可笑しかった。


「珍しい指輪だ。ちょっと見せてくれないか?」


「それは、できません」


「どうして?」


「だって、これは……」


「伝説に連なる指輪だから?」


「どうして?!」


「兄さん、だめだよ!」


シャルティのペースに巻き込まれていると、先に気付いたのはマヤだった。


「隠さなくていい。君たちがここへ近付いていると、俺に教えた者がある。それは伝説の巫女姫と、かつて共にあった者だ」


「え?」


「どういうことなの?」


「案内しよう。付いておいで」


そう言って、シャルティは一枚岩の向こうへと歩き出した。


「どうする、兄さん?」


「あの人、嘘は言ってないと思う」


「初対面の人をそんな信じていいの?」


「でも、指輪の光はあの人の行く方向を指し示している。行くよ、マヤ」


「……」


「行った先で何が起ころうと、それは覚悟の上だろう?」


「……そうね、マト。そうだよね」


シャルティから警戒心をまったく感じなかったのも、こちらの事情もすべて把握しているからかもしれない。


マヤはそう思い直して、先を行くシャルティとマトを追った。