久遠の絆

かなりの高さがあるというのに、平然としている彼に、二人は唖然とした。


何か特殊な訓練を受けているのだろうか。


「俺はシャルティ。いきなり銃を向けて済まなかった。ただ俺たちにも事情があることを分かってほしい」


「……」


「君たちが同盟から送り込まれてきたのかと。まあすぐに、そうではないと分かったけどね」


「同盟?!冗談じゃないよっ。なんで、わたしたちが同盟の奴に間違われなくちゃいけないんだ?」


「マヤ。だから違うって分かって貰えただろ」


先程の涙などどこへやら。


同盟の人間と間違われていきり立つマヤを、マトは何とか宥めようと四苦八苦している。


「う~ん、いいなあ。本当に仲がいいんだね」


シャルティは暢気に目を細めている。


「あの、どうして俺たちが兄妹だと?」


「ん?だって、その子は君のこと兄さんて呼んでるし」


「ずっと聞いてたんですか?」


「ああ、ずっと君たちのこと見てた」


そう言って、シャルティは人差し指を上に向けた。


彼に、岩の上からずっと見られていたのだ。


(俺、まったく気付かなかった……)


マトは自分の未熟さを思い知らされた気分だった。


「君たちは何をしにここへ?」


シャルティは、まるで観光客に目的地を尋ねるような気安さだった。


肩肘を岩の凹凸に乗せ、ゆったり寛いでいるような立ち姿。


警戒心など、まるでないようだ。


「人を探しに。北の大陸から」


「へえ、わざわざ北から?捜し人はこの辺りにいると?」


「ええ、多分」


「ふうん……」


するとシャルティは顎に手をやり、何事か考え始めた。


マトとマヤは顔を見合わせた。