久遠の絆

マトは咄嗟にマヤを庇い、岩陰に身を潜めた。


「兄さん、どうしたの?!」


「しっ!武装した人たちがいっぱいいたんだ」


「え?」


そう、マトが見たものは、シャルティ率いるアトゥマの精鋭部隊だったのだ。


「な、なんで?わたしたち、狙われてるの?」


いくら気丈なマヤでも、予告なしに銃を向けられたら怖い。


「マヤは、ここにいろ」


「そんな、兄さんは?」


「あの人たちが俺たちに銃を向けるのには、それなりの理由があるはずだ。話してみなきゃ、分かってもらえないだろ」


「危ないよっ。兄さんに何かあったら、わたし、どうしたらいいの?」


「お前らしくないな、マヤ。落ち着けよ」


「落ち着けるわけないでしょ!兄さんにもしものことがあったら、わたし……」


そう言ってマヤが涙ぐんだので、今度はマトが焦ってしまった。


「お、おい。泣くことないだろ?まだ俺がどうかなったわけじゃないんだし」


「だって……」


妹を泣かせたのは、これが初めて。


こんな状態の彼女を置いて行くわけにも行かず、マトは対処のしようがなく天を仰いだ。


すると、誰かと目が合った。


「?!」


透明にも見える灰色の瞳。


吸い込まれるように、マトはじっと見つめてしまった。


その瞳の持ち主は、岩の上から手を振っていた。


「そんなに見つめられたら、照れるな」と、本当に照れたようにはにかんでいる。


「ごめんなさいっ」


言われて、まじまじと見過ぎていたことに気付いたマトは、急いで視線を下げた。


そんなマトに、マヤはピッタリくっついている。


「ふうん。あんたら、いい兄妹だね」


そんな声が上から降って来た、と思ったら、彼は岩の上から軽やかに飛び降り、兄妹の前に立った。