久遠の絆

◇◇◇





若葉萌える山を降りると、砂漠だった。


マトとマヤは環境の変化に付いていくので精一杯だった。


ジャングルしか知らない彼らだったから。


ダンドラークの首都に行った際もかなりのカルチャーショックだったが、今回も相当なものだ。


「本当にこんな所にいるの?」


マヤの疑問ももっともだったが、指輪の光はまだ砂漠の向こうに伸びていた。


「この光の先に、必ずランがいる。とにかく進もう」


砂漠に造られた街道をどんどん南に下っていく。


所々に人の通った痕跡があるから、今も使われている街道なのだ。


そのことに少しホッとしつつ、マトは指輪から出る光の先を見た。


空があるだけ、だった。


山脈から離れてしまえば、ぶつかるものは何もない。


ここはだだっ広い砂漠なのだから。


いや、そうでもない?


マトは目をしばしばさせて、視線のずっと先にあるものをよく見ようとした。


ぼんやりと。


「あれが、蜃気楼ってやつか?」


話には聞いたことがある、不思議な現象。


それを自分たちは今目の当たりにしているのだろうか。


「ううん、兄さん。あれ、本物だよ」


「そうか?」


「わたしの方が目がいいんだから」


勝ったとばかりに胸を張る妹を可笑しそうに見ながら、マトは「じゃあ、本物だ」と言って歩調を速めた。


マヤはそれにしっかり付いて行きながら、

「ねえ、兄さん。一つ確認」

と早足に息を切らすことなく、そう言った。


「わたしたち、ちゃんとジャングルに帰れるんだよね?」


「ばばさまをジャングルに連れて帰るのが、一番の目的だろ?」


「そうなんだけど……。ランて子に会ったら、そう簡単には戻れないような気がするんだけどな……」