久遠の絆

ゆっくりと振り向くと、真っ直ぐにこちらを見るシドがいた。


彼は夜の闇に溶け込みそうなほどの漆黒を纏っている。


漆黒の総帥と怖れられた彼。


しかし今はそんな厳しさは感じられない。


22歳の普通の青年のそれだった。


「えっと、まあ、いろいろサンキュな」


そして照れたように鼻の頭を掻きながら、そう言った。


「お互い様だ」


許す、許さないではないのだと。


その時分かった。



「行こう、あの子の所へ」




たった二人きりの兄弟。


血は半分しか繋がっていないけれど、手を取り合うべき存在。


若い頃には分からなかったことが、今なら分かる。


一つの目標に向かうことで、エルブライト家の兄弟は雪どけを迎えたのだった。