刹那。
老人の手から紙片をもぎ取ると、フードの男は立ち上がった。
弾みでフードが外れ、彼の顔が露になる。
漆黒の髪に、漆黒の瞳。
その姿は、シド・フォーン以外の何者でもなかった。
「やはり」
老人のその声が合図になったのか、四方の壁際に一斉に人が立ち、構えた銃の銃口を彼へと向けた。
それまでうるさいくらいにざわついていた酒場は、一気に静まり返った。
関係のない者も、少しでも動けば撃たれるかも知れない。
そんな緊張感が漂う。
「よく俺だと分かったな」
そんな状況でも、シドは老人を嘲るように笑っていた。
そんな余裕ありげな態度が気に喰わないのか、老人は声を上擦らせ、唾を飛ばしながらシドに迫る。
「シド・フォーンに似た男が渡航手形を探していると情報を受け、近付いてみれば案の定。貴様の命は我が手中にあるのだぞ!生かされた事に感謝せず、何を画策しているのだ?!」
「何も。ただ惚れた女に会いに行く。それだけだ」
「なに?」
思わぬ答えに、老人は言葉を失った。
もう一度軍備を整えるために、南の大陸へ渡航するものと考えていたのだ。
「見逃してくれよ、じいさん」
「それは出来ぬ。ヘラルドさまはたいそうお怒りなのだ」
「……」
ヘラルドの名が出ると、シドの目がスッと細まった。
「なら、力ずくで行くしかないか」
その言葉に、銃を構えた兵士たちが反応した。
「お前ら、シド・フォーンに銃口を向けるか?」
視線は老人に合わせたまま、兵士たちを圧するシド。
銃の先がカタカタと震えている者もいる。
老人の手から紙片をもぎ取ると、フードの男は立ち上がった。
弾みでフードが外れ、彼の顔が露になる。
漆黒の髪に、漆黒の瞳。
その姿は、シド・フォーン以外の何者でもなかった。
「やはり」
老人のその声が合図になったのか、四方の壁際に一斉に人が立ち、構えた銃の銃口を彼へと向けた。
それまでうるさいくらいにざわついていた酒場は、一気に静まり返った。
関係のない者も、少しでも動けば撃たれるかも知れない。
そんな緊張感が漂う。
「よく俺だと分かったな」
そんな状況でも、シドは老人を嘲るように笑っていた。
そんな余裕ありげな態度が気に喰わないのか、老人は声を上擦らせ、唾を飛ばしながらシドに迫る。
「シド・フォーンに似た男が渡航手形を探していると情報を受け、近付いてみれば案の定。貴様の命は我が手中にあるのだぞ!生かされた事に感謝せず、何を画策しているのだ?!」
「何も。ただ惚れた女に会いに行く。それだけだ」
「なに?」
思わぬ答えに、老人は言葉を失った。
もう一度軍備を整えるために、南の大陸へ渡航するものと考えていたのだ。
「見逃してくれよ、じいさん」
「それは出来ぬ。ヘラルドさまはたいそうお怒りなのだ」
「……」
ヘラルドの名が出ると、シドの目がスッと細まった。
「なら、力ずくで行くしかないか」
その言葉に、銃を構えた兵士たちが反応した。
「お前ら、シド・フォーンに銃口を向けるか?」
視線は老人に合わせたまま、兵士たちを圧するシド。
銃の先がカタカタと震えている者もいる。


