久遠の絆

再度グレアムに指示を与えたカイゼライトは、心の中にしこりのような物を抱えながら屋敷を後にした。


母の姿が、瞼に焼き付いて離れない。


(我が家はあの頃から狂い始めていたんだ)


どこかで止めることが出来ていたなら、シドが家を出ることもなく、母が気を狂わすこともなかったのだろうか。


それとも、一つひとつの事象は起こるべくして起こったことで、何か一つが欠けていても、結局こうなっていたのだろうか。


カイゼライトには分からなかった。


ただ一つ分かっているのは、彼自身は常に傍観者の立場でいたということだ。


厄介だと思われることには関わろうとせずにいた10代。


その結果、こうして悔いばかりが残ることになってしまった。


(だから、これからは少しでも関わりたい)


それは自分の心を楽にしたいがための独りよがりかもしれない。


結局は何も変わらないだろう。


だが、傍観者であるよりは。


幾らか人のため、世のためになるのではないか。


だからカイゼライトは前へ進む。


彼の弟を捜し出すために。