久遠の絆

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ダンドラークの主都。


主が交代して久しい都は、以前とは随分雰囲気が変わっていた。


整備された道路には、装甲車が行き交う。


貴族達がそぞろ歩き、庶民が憩いの場として親しんでいた公園は、同盟軍の駐屯地となっていた。


その姿を木陰に隠れるようにして見る、一人の男。


カイゼライトだった。


ガルーダの公邸で命の危険を感じ、先んじて脱出したのち、各地を点々としていたが、思うところがあって、ついに故郷の土を踏んだのだ。


良い時代の帝国を知る彼は、人知れず胸を痛めた。


貴族のほとんどが粛清の対象になっていると聞く。


果して、父は母は、かつての友たちは無事でいるのだろうか。


自ら捨てたものではあったけれど。


弟のように、憎んだからではない。


弟、すなわちシドは、侵略した故郷でクーデターにあい、今や行方不明だ。


生死も定かでない弟を、彼はずっと探し続けている。



「カイゼライトさま」


呼ばれ振り向くと、別の木の後ろから、小柄な老人が出て来た。


「ランデルか」


「はい」


「よく分かったな」


「カイゼライトさまのことでしたら、何でも」


「ふ……相変わらず」


「坊ちゃまが帝国をお出になられたあとも、このランデルは坊ちゃまの忠実な僕でありましたからな」


「坊ちゃまと呼ぶな」


「ククク……さてさて、何をお命じ下さいます?」


「分かりきったことを。シドだ。探せ」


「すでに当たりは付けてございます。一日頂ければ良いかと」


カイゼライトは「行け」と言うように、片手を振った。


直後、ランデルの姿は煙のように消えてしまった。


「当たりを付けている、か。相変わらず、喰えん奴だ」