久遠の絆

その後マトとマヤは、森の中で狩人と会い、見知らぬ少女を雪の中から救ったものの、また見失ってしまったという話を聞いた。


「きっと、ランだ」


狩人と別れた後、マトは確信を持って、そう言い切った。


「でも、その後の足取り、まったく分からないんだよね」

と思案げに眉を顰めるマヤに、マトは頷く。


「この森に入ったってことは分かったけどなあ」


そう言ったマトが、突然「あつっ」っと言って、懐に手を入れた。


そして取り出したのは、ナイルターシャの指輪。
 

「なんだ~?」


マヤも目を丸くして、その光景を見ている。


懐から出された瞬間、目を覆いたくなるくらいの光を発した指輪。


そして、どんどん熱を帯びていく。


マトはあまりの光と熱さに、思わず取り落としそうになったが、それでも必死に摘まんでいた。


「兄さん、何よこれ?!」


「分かるかよ。ばばさま、何も言ってなかったよな」


「聞いてないよ!」


パニックになる兄妹。


そして次の瞬間、指輪を覆っていた緑の光が前方に飛び出したのだ。


ビュンと木々を突き抜け、レーザー光線にように真っ直ぐに伸びる光。


それは山の頂を乗り越え、山脈の向こう側へと達しているようであった。


「これは……」


「……」


しばらく呆然としていたふたりだったが、ややしてマトが呟いた。


「この光の先に、ランがいるんだ」


ナイルターシャの指輪が教えてくれている。


瑠璃の指輪のある場所を。


その指輪の持ち主のいる場所を。


マトとマヤはその光の筋に導かれ歩き始めた。


少女との再会を望みながら。