久遠の絆

雪の残る山脈。


頂近くに見えるのは、万年雪だろうか。


開けた牧草地帯に立ち、兄妹は立ち尽くしている。


まだ草は芽を出したばかりで、放牧にも早いようだ。


「指輪は?」


言われ、マトは懐から指輪を取り出した。


だが、何の反応もない。


「どうすりゃいいんだ」


「まだ雪のある時期だったら、助かってるかどうかも分からないよね」

と、マヤが不吉なことを口にした。


「おいおい。やめろよ」


マトは指輪をしまうと、とりあえず歩き始めた。


「雪のある時、普通なら、とにかく暖が取れて休める場所を探すだろう。ここが牧場なら見張り小屋みたいなものがあるかもしれない。探してみよう」


「そっか、そこに何かの痕跡でもあれば、ラッキーだよね」


牧草地帯の向こうに広がる森を目指した。







深い深い森。


高い高い山。


そこに入り込んでしまうと、助かるのは容易ではないと思われた。


果たしてランは無事でいるのか。


ふたりは不安を抱えたまま、森の中へと踏み込んだのだった。