ジュラークⅠ世は肩を震わせ笑っている。
「陛下」
面白がっておいでですね。
拗ねたように言うカイルに、皇帝はなお肩を震わせながら、
「お前も子守は得手でないと見えるな」
と声に笑いを含ませ言った。
「子守などと。殿下がお聞き及びになれば、お叱りを受けるのは私ですよ」
アニーシャとは、ジュラークⅠ世のただ一人の肉親であり、妹である少女だった。
皇位継承権第一位の皇女。
皇帝にはいまだ妻がおらず、子もいない。
よって、皇女 アニーシャが今現在、唯一の皇位継承者だった。
そして、帝国元帥カイル・アルファラの許婚、だった。
これは彼と彼女が生まれる前から決まっていたこと。
アルファラ公爵家と皇室両家によって決められたことだった。
だからお互いの存在を知る前から、カイルとアニーシャは婚約者だったのだ。
「成人の儀を終えたばかりの小娘の世話など、子守以外の何物でもない」
また心にもないことを。
カイルは半ば呆れていた。
ジュラークⅠ世がただ一人の妹を目の中に入れても痛くないほど可愛がっているのは、周知の事実だったのだから。
(それを子守などと強がりを申される)
「まあ、私はお前だから、あれを任せていられるのだ」
と、皇帝がぽつりと本音を漏らした時だった。
バンと扉が勢いよく開けられ、何かが部屋の中に飛び込んで来た。
「やっぱり来てたのね、カイル!」
背中に突き当たるように抱きつかれた。
「も、申し訳ありません!」
続いて扉のところに現れた女官が頭を下げる。
「カイル、カイル、会いたかった~!」
今年十五になる、皇女 アニーシャだった。
「陛下」
面白がっておいでですね。
拗ねたように言うカイルに、皇帝はなお肩を震わせながら、
「お前も子守は得手でないと見えるな」
と声に笑いを含ませ言った。
「子守などと。殿下がお聞き及びになれば、お叱りを受けるのは私ですよ」
アニーシャとは、ジュラークⅠ世のただ一人の肉親であり、妹である少女だった。
皇位継承権第一位の皇女。
皇帝にはいまだ妻がおらず、子もいない。
よって、皇女 アニーシャが今現在、唯一の皇位継承者だった。
そして、帝国元帥カイル・アルファラの許婚、だった。
これは彼と彼女が生まれる前から決まっていたこと。
アルファラ公爵家と皇室両家によって決められたことだった。
だからお互いの存在を知る前から、カイルとアニーシャは婚約者だったのだ。
「成人の儀を終えたばかりの小娘の世話など、子守以外の何物でもない」
また心にもないことを。
カイルは半ば呆れていた。
ジュラークⅠ世がただ一人の妹を目の中に入れても痛くないほど可愛がっているのは、周知の事実だったのだから。
(それを子守などと強がりを申される)
「まあ、私はお前だから、あれを任せていられるのだ」
と、皇帝がぽつりと本音を漏らした時だった。
バンと扉が勢いよく開けられ、何かが部屋の中に飛び込んで来た。
「やっぱり来てたのね、カイル!」
背中に突き当たるように抱きつかれた。
「も、申し訳ありません!」
続いて扉のところに現れた女官が頭を下げる。
「カイル、カイル、会いたかった~!」
今年十五になる、皇女 アニーシャだった。


