久遠の絆

「待てよ、マヤ。ばばさまには、ばばさまの考えがあるんだ」


「でも、兄さんっ。ばばさまをこんなトコに置いておけないよ!」


「ああ、もちろん。俺だって、力尽くでも連れ出したいさ。でも、ばばさまがそう仰るからには、それなりの理由があるんだろう」


そうして、マトはナイルターシャを見た。


「ばばさま、どうして、そんな風に思われるんです?」


「私は罪深いのだよ、マト。あの子が彼の元にある今、私は会わせる顔がない」


「ばばさま……誰のことです?」


「マトや」


ナイルターシャは問いには答えず、青年の名を呼んだ。


「はい、ばばさま」


「あの子の許に行ってくれるかい?」


マトには、“あの子”が誰か、分かってしまった。


「今どこにいるのです?」


「これを」


ナイルターシャは、自分の指に嵌められた指輪を外し、マトへ差し出した。


「これを持ってお行き。この指輪が、あの子の所へ導いてくれる」


「これは、ばばさまの大切な指輪じゃないか!」


そして、ナイルターシャの生命力を支えている指輪。


それを持って行ってしまったら、ナイルターシャを守る物がなにもなくなってしまう。


「嫌です」


「マトや」


「いくらばばさまの頼みでも、それだけはできない。指輪がなくても、俺があの子を見つけるよ」


ナイルターシャはマトをじっと見つめた。


「お前の強い意志があれば、それも容易く出来そうだ。頼むよ、マト。世界にはあの子が必要なんだ」


「分かってる、ばばさま。マヤ」


「何?」


「ばばさまを頼む」


「一人で行くの?兄さん。どこに?あの子って、誰?」