久遠の絆

しばらくして皇帝が呟いた。


「シドといい、お前といい、思い切りが良すぎるんだ」


それを聞いてカイルはくすりと笑った。


「シドはその信念のために。私はあなたのために……」


「……異世界の娘、名は何と言ったか?」


「蘭」


「ラン、か。真実を知れば、どうするであろうな」


「おそらくは、われわれの思うように動いてくれるはずです。そのように仕向けさえすれば……」


「ふむ」


考えるように口を閉じた皇帝を見つめながらカイルは思う。





すべてはこの国を救うため


蘭さま


あなたを巻き込むことをお許しください





「とりあえずは、蘭さまに洗礼を受けていただく必要があります」


「ああ、そうだな」


「その前に、お会いになりますか?」


「いや、私が会う必要はないだろう。まだ、な」


「では、神殿のほうの日程で進めてもよろしいですか?」


「かまわない」


「かしこまりました」


そう言って立ち上がるカイルに、皇帝はそれまでの険しい表情を緩め、逆に意地悪そうな笑みを浮かべて、「アニーシャに会って行かないのか?」と尋ねたのだ。


カイルは苦笑した。「アニーシャさま、ですか……」


「そう、アニーシャだ。先日会ったときに、お前がいっこうに訪ねてくれないと愚痴ばかり言っておったぞ」


カイルは小さく溜め息をついた。


「しばらくお会いできないと申し上げたのですが」