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ナイルターシャは己の力不足を嘆いた。
どこで、歯車が狂ってしまったのか。
いくら悔やんでも、もう遅い。
瑠璃の巫女は、もういないのだから。
彼女はその後に起こったダンドラークの国家統一に助力し、『伝説の巫女姫』として名を残すが、その心にはいつまでもしこりが残った。
そんな彼女に、姉が言った。
「私がお前の替え玉となろう。お前は人目に触れない場所で、ゆっくり余生を送るがいい。お前の浅はかさを、星愛に詫びながら」
「……そうしましょう。姉さま。私があの子を殺したも同じなのですから……」
「また、お前の力が必要となれば、その時は神が教えてくださる。それまで、お休み……」
シェイルナータの思惑には最後まで気付かず、ナイルターシャはジャングルに身を隠した。
代わりに姉が、巫女姫として神殿に身を置くことになった。
そうして、巫女姫の伝説は、連綿と語り継がれることになる。
あくまでも、帝国の救世主として。
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