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イーファンの顔を見るのが辛い。
傍らに立つヘラルドが、怖い。
星愛の心が不安定なまま、事は進んでいった。
いよいよ来た、その日。
神殿の広場に全員が集まる。
しかし、そこに星愛の姿はなかった。
彼女の部屋に行くと、遺書と思われる内容の手紙と、瑠璃の指輪が並べておいてあった。
手紙には「これ以上の屈辱には耐えられない」というようなことが認めてあり、そこにいた者すべてが、一つの原因を思い浮かべた。
気位の高い星愛にとって受けた仕打ちというものは、自らを全否定しても仕方のないものだったに違いない。
己の存在意義を見失うほどの苦悩を、誰にも告げられず、彼女は命を断った。
そして。
瑠璃の指輪は、黒く変色していた。
その持ち主の、哀しみと絶望を内包して。
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