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星愛とナイルターシャが語り合った夜から、あまり日の経たない、ある日。
星愛は村にある神殿へと連れていかれた。
白亜の神殿。
石造りのそれを、星愛は興味深そうに見ている。
「木で造らぬのだな」
そんなことをぶつぶつ言っている。
そうして柱などを見ているうちに、ナイルターシャや付き人たちとはぐれてしまい、神殿の入り口に戻れなくなってしまった。
小さな村にあるにしては、大きな神殿。
部屋数が多く、廊下も複雑に入り組んでいる。
「完全に迷ってしまった……」
途方に暮れかけた時、背後に人の気配を感じ振り向いた。
暗くて、よく見えないが、光源もないのに何かが光っている。
目を凝らすと、それが人の髪だと分かった。
肩くらいの、白銀に輝く髪。
「そ、そなたは、誰だ?」
上擦った声で尋ねると、男女の別がつきにくい声が返ってきた。
「あなたは瑠璃の巫女ですね」
「どうして、それを?」
問いながら、星愛は何故か分かっていた。
それが、出会うべくして出会った人だと。
ナイルターシャとの夜語りが、一瞬の内に頭を過ぎった。
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