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「ナイルターシャ」
「はい。何でしょう。セイア?」
「ふふ……そなた、何故わらわの愛称を知っておる?」
星の降るような夜だった。
彼女らはふたりきりで語り合った。
「姫宮。皆そう呼ぶ。星愛と呼ぶは、我が父帝だけ」
「星見をなさるのでしょう?」
「そんなことも知っておるのか?!」
星愛は目を見開いた。
「私も致します。同じ力を持つ者として、星愛のこと、よく分かるのですよ」
星愛は感心したように息をついた。
「わらわは、ナイルターシャのこと、分からぬ」
申し訳なさそうに言う星愛に、ナイルターシャは首を横に振った。
「いいえ。構いません。人には相性がありますもの。星愛のことを知り、また星愛も知ることの出来る人は、きっといます。ですから、この世界で一人だとは思わないでくださいね」
ナイルターシャの言葉に、星愛ははにかんだように微笑んだ。
「わらわを知り、わらわが知る者、か。なかなか良いことを言う」
そんな存在に出会うのも、そう遠い未来ではないことを、この時の星愛はまだ知らない。
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