◇◇◇
「何故、誰も真実を話そうとしないのか……。私が話さなくては、世界はこのまま壊れてしまうのを待つだけになってしまいます。蘭」
「は、はい」
「私の話す事を信じ、受け入れてくれますか?」
「……はい……」
「伝説の巫女姫は、かつてのことを後悔されている。ご自分が決断し、許されたことを」
「……ナイルターシャさま?」
「ええ、そうです。だからこそ、ご自分が老いていくことを贖罪の証とされ、自ら語ることを封じてしまわれたのです」
「どういうことだ?」
シャルティは訳が分からないと言うように眉を寄せた。
「伝説の巫女姫は、神にも等しい、絶対的な存在だ。どうして許しを請わなければならない?そもそも巫女姫が過ちを犯したりするのか?」
シャルティの疑問ももっともだった。
『巫女姫は常に正しい』
それがこの世界の住人の、一般的な見解であった。
シャルティが「神にも等しい、絶対的な存在」と言ったのも、けして大袈裟な表現などではなく、子供の頃からそう教えられて来たからだ。
そうなのだと信じ、疑ったことなどない。
それなのに、巫女姫が償わなければならない程の罪を犯したと言うのか?
「シャルティ。巫女姫とて、人間なのです。思惑とは別の所で人と人の意思が絡み合った時、巫女姫ですらどうしようも出来ないくらいの事態が起こり得たのです」
「……」
「これから、その巫女姫の罪も含めてすべて、お話致します。その中には、私自身のことも出てきますが、どうぞ驚かないでくださいね」
そう言って、イーファンは少し寂しそうに微笑んだ。
語られた事は想像だに出来なかったことだけれど、もう誰も、彼の話に口を挟もうとはしなかった。
「何故、誰も真実を話そうとしないのか……。私が話さなくては、世界はこのまま壊れてしまうのを待つだけになってしまいます。蘭」
「は、はい」
「私の話す事を信じ、受け入れてくれますか?」
「……はい……」
「伝説の巫女姫は、かつてのことを後悔されている。ご自分が決断し、許されたことを」
「……ナイルターシャさま?」
「ええ、そうです。だからこそ、ご自分が老いていくことを贖罪の証とされ、自ら語ることを封じてしまわれたのです」
「どういうことだ?」
シャルティは訳が分からないと言うように眉を寄せた。
「伝説の巫女姫は、神にも等しい、絶対的な存在だ。どうして許しを請わなければならない?そもそも巫女姫が過ちを犯したりするのか?」
シャルティの疑問ももっともだった。
『巫女姫は常に正しい』
それがこの世界の住人の、一般的な見解であった。
シャルティが「神にも等しい、絶対的な存在」と言ったのも、けして大袈裟な表現などではなく、子供の頃からそう教えられて来たからだ。
そうなのだと信じ、疑ったことなどない。
それなのに、巫女姫が償わなければならない程の罪を犯したと言うのか?
「シャルティ。巫女姫とて、人間なのです。思惑とは別の所で人と人の意思が絡み合った時、巫女姫ですらどうしようも出来ないくらいの事態が起こり得たのです」
「……」
「これから、その巫女姫の罪も含めてすべて、お話致します。その中には、私自身のことも出てきますが、どうぞ驚かないでくださいね」
そう言って、イーファンは少し寂しそうに微笑んだ。
語られた事は想像だに出来なかったことだけれど、もう誰も、彼の話に口を挟もうとはしなかった。


