久遠の絆

「俺は違うんだからな」


独り言のつもりで発した言葉が、イーファンに届いてしまったらしい。


「何が違うんです?」


藤色の瞳に真っ直ぐに見つめられ、シャルティは焦った。


「い、いや。俺は女が好きだっ」


「それは……私もそうですが……。今、そんなに力強く宣言して頂かなくてもいいのですよ」


「わ、分かってるさ」


「やはり……」


「何だよ」


「まだ本調子ではないのですね。挙動がおかしい。今日はこのくらいにして、休んで下さい」


イーファンは心配そうに眉根を寄せ、力づくでシャルティの大きな体を横にさせると、肩を押さえたまま、シャルティの顔をまじまじと眺めている。


「お、おい、イーファン」


「顔が赤いですね。熱があるのでは?薬湯をあとで持たせますから、飲んで、しっかり眠って下さいね」


「わ、分かった」


「では、お休みなさい」






一人残された部屋で、シャルティは瞼を閉じた。


けれど、瞼の裏に、美しい親友の姿がちらついて寝付かれない。


「俺、溜まってんのかな……」


男所帯の悲しさを思う、シャルティだった。