久遠の絆

イーファンの去った部屋で、蘭は何もない壁に向かって呟いた。


心の中で。


負の源である、父親に向けて。


何故急に、そんな前向きな、力強い気持ちになれたのか、蘭自身にもよく分からなかった。


ただカイルの面影が浮かんだ。


それだけで、そんな気持ちになれたのだ。


一度は諦めた人。


けれど、想いはまだ彼女の中にあり続けていた。


最初からそうだった。


彼といるだけで前向きになれた。


勇気が持てた。


(彼の愛するこの世界を救いたいって、そう思ったから……)


理屈ではない。


彼が好きだから。


薄緑色の瞳が悲しみに曇るのを見たくないから。


だから……。






指輪はまだ黒く澱んでいる。


そんな状態でも、蘭を励ますように瞬き続けていた。