◇◇◇
蘭は凍えそうな場所で、膝を抱えて震えていた。
寒いばかりで、何もない所。
物音ひとつしない、寂しい所。
(ここは……地獄?)
天国なら、もっと優しい場所の筈だった。
花が咲き乱れ、天の使いがいて。
楽しくて、いつだって笑顔な筈だ。
だから、ここは地獄。
(そう、わたしは死んだって天国にいけないもの)
どこだって、いい。
地獄だって、いい。
だって、ようやく死ねたんだから。
(そう、やっと、死ねた。あんなに死にたかったんだから。ああ、これで、辛いことから逃げれたんだ……)
でも、何故か蘭の目からは涙が溢れていた。
(あれ、おかしいな。わたし、泣いてるよ?死ねて嬉しいはずなのに。わたし、泣いてるよ?)
そうやってさめざめと泣いていた蘭は、しばらくして何かの気配を感じて振り向いた。
そこには全身が黒い男が立っていた。
「ひっ」と小さな悲鳴を上げて、蘭は飛び退いた。
目と口だけの黒い男。
男はその口でにたあと笑った。
「ひーーー」
もはや声にならない。
男は笑ったまま、蘭の方に腕を伸ばし、彼女の手首を掴んだ。
ねっとりと絡みつくような感触。
抗うことも出来ず、されるがままの蘭。
そして男はこう言った。
蘭は凍えそうな場所で、膝を抱えて震えていた。
寒いばかりで、何もない所。
物音ひとつしない、寂しい所。
(ここは……地獄?)
天国なら、もっと優しい場所の筈だった。
花が咲き乱れ、天の使いがいて。
楽しくて、いつだって笑顔な筈だ。
だから、ここは地獄。
(そう、わたしは死んだって天国にいけないもの)
どこだって、いい。
地獄だって、いい。
だって、ようやく死ねたんだから。
(そう、やっと、死ねた。あんなに死にたかったんだから。ああ、これで、辛いことから逃げれたんだ……)
でも、何故か蘭の目からは涙が溢れていた。
(あれ、おかしいな。わたし、泣いてるよ?死ねて嬉しいはずなのに。わたし、泣いてるよ?)
そうやってさめざめと泣いていた蘭は、しばらくして何かの気配を感じて振り向いた。
そこには全身が黒い男が立っていた。
「ひっ」と小さな悲鳴を上げて、蘭は飛び退いた。
目と口だけの黒い男。
男はその口でにたあと笑った。
「ひーーー」
もはや声にならない。
男は笑ったまま、蘭の方に腕を伸ばし、彼女の手首を掴んだ。
ねっとりと絡みつくような感触。
抗うことも出来ず、されるがままの蘭。
そして男はこう言った。


