久遠の絆

少女も目を覚ますどころか、ぴくりとすら動かない。


黒い男が消えたにもかかわらず、状況は依然手探りのままだった。


「ああ、もうどうすりゃいいんだよ」


いつも冷静なシャルティも、さすがに苛立ちを隠せない。


シャルティは一旦少女の傍を離れると、繭の壁に触れてみた。



ビリッ



また電流が走る。


シャルティの指も、静電気にあったような痛みを感じた。


それに構わず、壁を押すように力を込めた。


すると、黒い男の首を締め付けた時と同じように、ずぶっと壁の中に指がめり込んだ。


ねばねばとした感触に虫唾が走ったが、止めることなく指をさらに向こうへと入れ続けた。



ズブズブ……



手首まで埋まったところで、シャルティは一気に体を壁へとぶつけてみた。



ズブリッ



(いけるんじゃないか?)


自分の指に嵌めている指輪を見た。


まだ光が流れ出ている。


安心した。


まるでイーファンが傍にいるような安心感。


(頼むぜ、イーファン)


親友に届かぬ思念を送って、シャルティは少女の元に戻ると、彼女を肩の上に担ぎ上げた。


そして。


繭の壁に飛び込んだ。