久遠の絆

◇◇◇




繭の中。


まだ光が満ちている。


少女は白い肌をさらけ出し、全裸のまま横たわっていた。


シャルティは上着を脱ぐと、少女の上に掛けた。


まじまじと見たわけではないけれど、少女の幼い体に無数の傷があるのを認めた。


抜けるように白い、滑らかな肌に付けられた、蚯蚓腫れのような傷。


今付けられたものの中に、古い傷もあるようだった。


(おそらくは、辛い思いをしてきたのだろう)


少女の左の薬指には、黒い石の嵌った指輪があった。


(なんで、こんな色の石を?)


黒曜石のような美しいものではなかった。


墨を浴びせられたかのようにまだらで、混沌としている。


シャルティは思い出したように、自分の左手を見た。


そこにも指輪が嵌っていた。


砂漠を出るとき、イーファンに渡された指輪だった。


金色に輝く石が付けられている。


その金の石が、光っていた。


光っているだけではない、その光は石から溢れ出し、流れ出て、この繭の中を満たしていたのだ。


突然繭の中を照らした光は、この金の石から出たものだったのだ。


「イーファン、お前、大事なことは何も俺に話してないな」


思わず親友に愚痴を言った。


この指輪を渡すときも、イーファンは何気なく「お守り代わりに」と言っただけだ。


「ああ、いよいよ、不思議世界だな……」


おそらくイーファンは、ある程度こうなることを予想して、この指輪をシャルティに渡したのだろう。


(信頼されてるんだろうけど……)


どう対応していいのか分からない。


(この繭を壊したりってことは、してくれないんだな)


その光は、繭の中に流れ出るだけで、それ以上の変化は起こらなかった。