久遠の絆

「うっ………」


少女が苦しそうに呻いた。


見れば、黒く染まった部分から、繭と同じような物質がゆらゆらと立ち上っていた。


「やばいな……」


とにかく、この繭の中から彼女を出すしかない。


シャルティはそう思った。


だが、その時。


『無駄だ』と言うくぐもった声が聞こえたのだ。


「何?」


『無駄だと言ったのだ』


「お前が喋ったのか?」


『お前などに、この娘を救えるものか』


一方的に告げる黒い男に、シャルティは嘲笑を返した。


「それでも、助けるんだよ」


シャルティはまた黒い男に向かって行った。


再び二人の間で火花が散り、シャルティは体の中を電流が走るのを感じながらもひるむことなく、黒い男に飛びついた。


ねっとりとした感触に顔が歪む。


だが顔を歪めたのは男のほうも同じだった。


『グワッ!!』


叫んだかと思うと苦しそうに身をよじった。


「なんだ?」


男を押さえつけながら、シャルティは男の思わぬ変化に戸惑った。


『や……めろ……。貴様、何を持っている?』


苦しげに呻く黒い男は、それだけ言うのがやっとのようだった。


「何を?」


武器は短銃しかない。


それも発砲していないのだ。


男が苦しむ要因はどこにもない。


「訳の分からないこと言ってんじゃねえよ」


シャルティは構わず男の首に手を掛けた。


黒い男はシャルティの腕から逃れようともがいている。