しかし首や身体を締め付けてきた時とは違って、シャルティまで届くことはない。
何かを恐れるように
、シャルティの方に触手を伸ばしかけては引っ込めるのだ。
「随分弱気になったんだな」
苦笑しながら呟くと、シャルティはさらにそれに近付いて行った。
近付けば近付く程、それは背の高いシャルティでさえ、見上げるほど巨大だということが分かった。
「おいおい勘弁してくれよ……」
数歩先で立ち止まった。
隠れる場所などはない。
ほとんど丸腰に近い状態で、異様な物体と対峙していた。
見つめていた。
うねうねとうごめく黒い繭を。
「悲しいな……」
突然シャルティの胸に去来した感情。
はっとして、彼は胸に手を当てた。
「何で、悲しい?」
自身に問い掛けた。
だが。
「俺は別に悲しくないぞ」
そう、それはシャルティの感情ではなかった。
悲しみは目の前の黒い繭から伝わってきたのだ。
「お前が悲しい?……お前は一体何なんだ?」
その問い掛けに返事でもしたように、繭は一層激しく渦巻いた。
そしてヒュッと飛び出した、一本の触手。
油断していた。
こいつはもう自分に攻撃してこないと。
触手はシャルティの身体に凄い勢いで巻き付くと、そのままギュッと締め上げた。
一瞬息が止まる。そして意識が遠のき、抵抗すら出来ずにぐったりとなってしまった。
触手はシャルティに巻き付いたまま、また繭の方へ戻り、彼の身体はそのまま繭の中に埋もれていった。
ズブズブと沈んでいくシャルティ。
そして遂には、完全に繭に取り込まれてしまったのだった。
何かを恐れるように
、シャルティの方に触手を伸ばしかけては引っ込めるのだ。
「随分弱気になったんだな」
苦笑しながら呟くと、シャルティはさらにそれに近付いて行った。
近付けば近付く程、それは背の高いシャルティでさえ、見上げるほど巨大だということが分かった。
「おいおい勘弁してくれよ……」
数歩先で立ち止まった。
隠れる場所などはない。
ほとんど丸腰に近い状態で、異様な物体と対峙していた。
見つめていた。
うねうねとうごめく黒い繭を。
「悲しいな……」
突然シャルティの胸に去来した感情。
はっとして、彼は胸に手を当てた。
「何で、悲しい?」
自身に問い掛けた。
だが。
「俺は別に悲しくないぞ」
そう、それはシャルティの感情ではなかった。
悲しみは目の前の黒い繭から伝わってきたのだ。
「お前が悲しい?……お前は一体何なんだ?」
その問い掛けに返事でもしたように、繭は一層激しく渦巻いた。
そしてヒュッと飛び出した、一本の触手。
油断していた。
こいつはもう自分に攻撃してこないと。
触手はシャルティの身体に凄い勢いで巻き付くと、そのままギュッと締め上げた。
一瞬息が止まる。そして意識が遠のき、抵抗すら出来ずにぐったりとなってしまった。
触手はシャルティに巻き付いたまま、また繭の方へ戻り、彼の身体はそのまま繭の中に埋もれていった。
ズブズブと沈んでいくシャルティ。
そして遂には、完全に繭に取り込まれてしまったのだった。


