久遠の絆

そんなイーファンがある通達をしたのが、数日前。


それは『雪山で遭難している少女を助けよ』というものだった。


その少女が何者なのか。


イーファンは詳しくは触れなかった。


けれどシャルティが敢えて問うことはない。


イーファンが助けなければならないと思ったのならば、それは必ずそうしなければならないということ。


組織の最優先事項として、シャルティは構成員たちに命令した。


事は一刻を争う。


何しろ、彼女は冬の山脈で遭難しているのだ。


雪深い高山で行き倒れたら、先にあるのは死しかない。


構成員は何班かに分かれて雪山へと分け入った。


しかし……。


彼女は見つからない。


絶え間なく降る雪に埋もれたのだとすれば、絶望的だった。


春の雪解けを待って、遺体を収容するしかなくなる。


だが、諦めるわけにはいかないのだ。


そして、ついに、組織のトップであるシャルティも山へと入った。


素性の知れぬ少女を救い出すために。